逆海外旅行保険のススメ

海外在住者が日本へ一時帰国中に免税で買い物する方法

日本に限らず「商品購入時に消費税が不要のお店(免税店)」がありますよね。免税店は外国人旅行者等の非居住者に対して特定物品を一定の方法で販売する場合に「購入金額の総合計から消費税を免除して販売できる店舗のこと」です。

免税って「消費税が要らないお店での買い物」のことですよね?

そうだね、もし日本の国内で「免税店」を利用したいなら外国人旅行者だけでなく一時帰国中の日本人でも適用されるんだよ

下記では免税の仕組みをご紹介させていただきますね。

海外在住者が日本へ一時帰国中に免税で買い物する方法

海外在住者が日本へ一時帰国中に免税で買い物する方法

大前提として免税を受けるには「条件」がありレジでいつも通り買い物をしただけでは免税価格での購入はできません。以下では適用ルールを解説いたします。

結論から言うと2023年4月以降の免税制度では、以下2つの条件を両方とも満たしている方が免税販売の対象となります。念のため書き出しておきますね。

▼条件1
非居住者である(直近の帰国印から6ヵ月未満である)こと

▼条件2
在留証明の原本上で海外に2年以上居住していることが分かること
または戸籍の附票の写しの原本上でもOK

下記ではざっと仕組みについて解説させていただきます。

免税(消費税免税制度)の基本

免税(消費税免税制度)の基本

消費税免税制度は「免税の要件」を満たした外国人旅行者や一時帰国時の日本人に対して適用される制度です。特定の物品(家電製品/時計/食品類/化粧品等)を販売している店舗側が「消費税を免除して販売できる仕組み」を指します。

ただし、免税店によっては免税となる対象者や免税対象物品が制限(指定)されているケースもあります。なお、出国時には税関での物品の提示(実際に購入した免税商品の現物)も必要となるためその点については念頭に置いておきましょう。

お買い物で免税を受けるには「パスポートが必要」なんだよね?

免税される条件はあるけど基本的にはパスポートだけでOKだよ!ただし、状況次第で必要になる書類もあるので解説しておくね

次は免税を受けるための条件についてまとめておきます。

免税が受けられる条件とは

免税が受けられる条件とは

実際に免税を適用するには下記3つの条件をクリアしなければなりません。

条件①:場所

免税店の許可を受けた店舗であること。免税での販売は誰でもできるといったものではなく店舗ごとに納税地を所轄する税務署長の許可が必要となっています。

条件②:対象者

非居住者に対する販売であること。具体的には下記の2つが対象者です。

1. 非居住者のうち「外国籍」を有する者
2. 非居住者のうち「日本国籍」を有する者

カンタンに言えば「日本入国後6ヶ月未満であること」を確認出来ればOKですね。直近の入国(帰国)日の6ヶ月前の日以降に作成された「戸籍の附票の写し」または「在留証明」によって対象者かどうかを確認することが必要となります。

なお、2023年4月1日以降の制度改正で上記「2」に該当する日本人の一時帰国者は在留証明または戸籍の附票により「2年以上海外に住んでいること」を確認できることも条件として追加されているのでその点だけは覚えておきましょう。

条件③:対象物品

通常生活で使われる物品(消耗品/一般物品)であること。非居住者が事業用または販売用として購入することが明らかと考えられる場合は免税販売対象外です。

ちなみに消耗品と一般物品の違いは下記となっています。

消耗品

・1人の非居住者に対して同店舗における1日の販売合計額が5000円以上かつ50万円以下の範囲内であること。
・お酒や食品や薬品や化粧品など使ったり食べたりするとなくなってしまうもの。
・日本国内で消費されないように指定された方法による包装がされていること。

一般物品

・1人の非居住者に対して同店舗における1日の販売合計金額が5000円以上。
・ 洋服やバッグ、楽器、民芸品や宝飾品など(消耗品には含まれないもの)。

免税と言っても意外と細かなルールが決められているんですね!

定期的に法改正も入るので目を通しておくといいかもしれないね

そもそもなぜ日本は免税なのか

そもそもなぜ日本は免税なのか

消費税を免税する理由は「外国人」が母国へ帰国した際に課税されて二重課税になるのを防ぐためですね。2014年9月までの日本は免税対象が「非消耗品」だけに限られていましたが同年10月の消費税免税制度改正により免税となる品目が拡大されました。改正後は正式に「消耗品」が免税対象に含まれることになりました。

上記でも解説した通り「非居住者」であることが基本なので一時帰国中の日本人も滞在先で課税されると二重課税になるためそれらを避けるために免税されます。

免税手続きは帰国後でも問題ないの?

免税手続きは帰国後でも問題ないの?

ひとことで「帰国後」と言っても大きく2つのパターンがありますよね。

1. 対象者が日本に「一時帰国」する場合
2. 対象者が訪日後に母国へ「帰国」する場合

本記事では上記の「1」へ向けて記事を書いていますが、一時帰国時の入国審査で上陸許可証印としてパスポートに押される入国スタンプが免税時に必要です。

つまり、免税店の購入時に「パスポート(入国スタンプがあるページ)」を見せて免税購入を行う流れになります。カンタンに言えば入国時の判子があればOK。上記で先述した通り「日本に来てから6ヶ月以内を証明することがポイント」ですね。

ただし、注意点としては「自動化ゲートを通ると入国スタンプが押されない」ため現時点の日本の免税ルールでは残念ながら免税を受けることができなくなります。

ごく稀に「人的ミス」で入国スタンプが押されなかったといったケースもあるのでそういった場合は「上陸許可証印がない」と判断され免税が受けられません。

念のために補足しておくと上記「2」で母国へ戻ってから免税手続きを行うことはできないのでその点だけ注意が必要です。現時点(2024年6月現在)の日本で免税購入するには免税店の購入時にしか手続きができないため覚えておきましょう。

もちろん、日本以外であれば母国に帰ってから免税手続きが行える国もあります。このあたりは各国で免税ルールも異なるため事前によく調べるのがおすすめです。

まとめ

今回は一時帰国時の免税購入について解説させていただきました。

免税の買い物と聞くと「手続きが手間なのかな?」と考えてしまいがちですが意外とシンプルな仕組みで利用することができます。訪日の外国人旅行者も一時帰国中の日本人にとっても消費税を支払わなくてもいいお店での買い物はお得ですよね。

本記事が免税店ご利用時のご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

田上 洋治

田上 洋治

昭和57年8月から、東京海上火災保険株式会社の代理店を経営、かたわら、エンジンオイル、フィルターの製造販売の会社を経営。 海外現地法人が2か所有り、海外長期滞在経験あり。 保険を販売する側と、加入する側の両サイドの両方を経験しています。失敗談や、保険金請求についてブログに書いていきたい。

関連記事

TOP